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Diversity(ダイバーシティ)を知ろう!

数年前から時々耳にするようになった「ダイバーシティ」というワード。まだまだ日本と世界ではその認識や本質的な意義に結構な差を感じる言葉でもありますが、これからの未来に向けて一層重要になるワードだと思っています。今回はそんなダイバーシティについて、ぐぅ自身の持論も交えながら解説してみたいと思います。

この記事で伝えたいこと!

ダイバーシティ=多様性を理解することは、物事や他者の理解を深めるだけでなく、これまでには見えなかった新しい価値の発見や想像につながるヒントになります。他者に対してだけでなく、自分の中にあるマイノリティな部分にこそ、素晴らしい価値が眠っているかもしれないよ(^_^)

そもそもダイバーシティとはなんだろう?

初めに、ダイバーシティという言葉の由来から考えてみよう。

ダイバーシティの意味は「多様性」、その語源は?

ダイバーシティは英語で「Diversity」と表記され、ラテン語で

・di=離れて、バラバラに
・verse=向く、声質を変える

が組み合わさった言葉として、「形や性質がさまざまである=多様性」と訳されています。
もともとはアメリカから始まった社会的マイノリティや性差別を無くそうという動きの中で生まれた言葉ですが、近年では性別、人種、民族、宗教、国籍、年齢、性格、学歴、障害の有無、価値観など、人に付随するあらゆる要素を含めた意味合いになっています。

「多様性」について考えたことはありますか?

では、そもそもこの「多様性」ってどんな意味だろう。
言葉からもなんとなく想像がつくところはあると思いますが、この意味をしっかり理解する事ができたら、今目にしているさまざまな事象や自分に起きている出来事にも、これまでとは違った視点で捉えたり、新しい気づきや発見に繋がるはず!
 

「多様性」をしっかり理解しよう

 あなたは、これまで「自分は他の人とは違うのかな・・・」って感じた経験はありませんか?それ、多様性を理解する上で大事なポイントなんです。

多数決のとき、こんな経験はなかったですか?

例えば学生の頃に、AかBか多数決で決めようってなった時、自分はBが良いと思っていたのにみんなが一斉にAに手を挙げるのを見て、思わず自分もAに手をあげてしまった。なんてこと、ありませんか?または「〇〇さんの意見に賛成の人!」って言われてみんなが手を挙げたら、本当は自分は違う意見があっても言えなくなったりしたこと、ないですか?

ヒトと「違う」ことが怖い私たち

この状況、多分こんな心理が働いていると思うんです。

・自分だけ違う選択をすると面倒に思われるかな
・相手の意見と違うっていうと嫌われるかな

そこで、下の表を見てほしい。
エリン・マイヤー教授の「異文化理解力」内にあるマッピングを日本語にしてみました

日本の位置は…一番右下。なんとなく納得できますね笑。
多数決の話に戻りますが、この現象によってものすごく重要な問題が生じています。それは、

・相手と違う意見をいえる習慣がない(自分の意識の問題)
・他人と違うことを受け入れる環境が整っていない(環境の問題)
・そのため意見の違う人の考えを聞く機会を失ってしまう(機会損失)
・結果、新しい考えや価値創造に繋がらない(多様性の喪失の連鎖)

こんなことになってしまうんです。GAFA(Google、Amazon、Facebook、apple)をはじめとした海外の勢いと、高度経済成長期以降衰退の一途を辿っている日本を退避する一つの象徴的な要素はこんなところからも見えてくる気がしますね汗。

多様性とは、「一人ひとりの違いを意識し、理解し、受け入れること」そして…

上記では意見の違いという視点でお話ししましたが、これらを人種や国籍、性別や価値観といったさまざまな面を含め、一人ひとりの違いを受け入れる考えを「多様性」といい、そうした世の中にしていこうという大きな流れを「ダイバーシティ」といいます。その重要性は、受け入れる社会を作ることではなく、受け入れることから生まれる本質的な価値創造だと私は考えています。

グゥの考えるダイバーシティとは!

そんなわけで、グゥの考えるダイバーシティを要約すると、
「一人ひとりの違いを受け入れ合い、多様な価値観が交わることで生まれる本質的な価値を創造しよう」です。言葉にしている自分がこんがらがってきそうな表現になってしまいましたが、なんとなく伝わってくれたら嬉しいです。
 

日本のダイバーシティの現状(興味がない方は読み飛ばしてね)

じゃあそのダイバーシティ、日本ではどうなのって話になりますが、ここは経産省のwebサイトから抜粋してみます。ちょっと固い話なのでここは読み飛ばしてもらって大丈夫です。

"経済産業省では、ダイバーシティ経営を「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」と定義しています。"

経産省HPより

なんだかとっても文面が似てますね汗。でも、大事な部分に違いがあります。ここまで読んだ方ならなんとなくわかるかな(>_<)

人に委ねるんじゃなく、環境に変化を

個人的には、「多様な人材が能力を最大限発揮できる機会を提供する」ことが大切ではなくて、「多様な人材が最大限その能力を発揮できる環境を構築する」ことが大切だと思うんです。
 
機会の提供となると、「多様な人材を雇用しよう」が先立ちますが、本質的な問題は多様な人材が企業にいないことではなく、多様な人材を本質的に受け入れる環境がないことです。最初の多数決に戻ると、意見が違う人は実はすでにいるということ。問題はそれを言える環境がないだけで、意見の違う人を増やしてもそれを受け入れ共有できる環境がなければ本質的なダイバーシティ、つまり新しい価値の創造には繋がらないんじゃないかなと感じています。
 
ステップとしては、

①多様性を受け入れる環境を整える(一人ひとりの違いを受け入れる)
②多様性を共有できる人が増える(周りとは違う意見を言える)
③さらに人材を増やしながら価値想像を高める(THEダイバーシティ)

 が大切で、③から初めても①がなければ実現は難しいんじゃないかなとおもいます。この「受け入れる」ことをinclusion(インクルージョン)といい、最近ではダイバーシティ&インクルージョンという言葉でセットで表されることも増えてきました。

インクルーシブデザインという考え方

上記のインクルージョンという概念を用いてモノやサービスの仕組みや在り方を突き詰める考え方をインクルーシブデザインいいます。これについては改めて記事にしたいと思いますが、現在の世の中を牽引する大手企業やそのサービス・プロダクトの大半は、この考え方が根幹にあると言われています。

ダイバーシティの考えは一層多様に

多様性の波は、テクノロジーの発展やコロナの影響を機としてさらなる広がりを見せています。
その一つが、「個」という在り方そのものの多様性です。私自身はひとりに違いありませんが、こうして「グゥ」という名前を持ったもう一つの「個」として何かを発信したり、本来の自分にはない異なるコミュニティーを形成しています。こうした「個」というものを受け入れてくれる人、環境ができつつあることも大きな潮流だと思います。Vtuberなどを見ると、本当に多様性に富んだ方々がたくさんいます。そういう意味では、バーチャルの世界はダイバーシティという分野においても最先端と言えるかもしれません。

多様性には怖さもある

これは会社員とかタレントとかアーティストといった職業など、いわゆる「カテゴライズした人やものの見方」からの解放にも繋がる一方、その人の価値観や行動自体を問われるような時代へと進むことにもなるのかなと感じています。
「肩書きなんてどうでもいい、君はいったい何者なのか」です。
あなたはこんな質問を投げかけられたら何て答えますか?人によっては結構怖い質問だったりするかもしれません。

価値の尺度にも、もっと多様性を

そんな話をしていると、コンテンツやサービスに対する評価の仕方にも多様性があったら良いなっていつも思います。一人のいいねが100万人のいいねに勝てるような、多数決ではない価値の評価が生み出せたなら、人の行動原理はもっと面白くクリエイティブになっていくと勝手に思っています。これもまた、別の記事で書きたいと思います。

さあ、創造しよう!

このように「ダイバーシティ」という概念はまだまだその認識に問題があるものの、さまざまな分野において浸透しつつあります。そしてこうした考え方は、いずれヒトや物事を見極める指標にすら影響を与えていくかもしれません。
 
そんな時代において大切なことはなんでしょう。その一つはきっと、
 

「創造(想像)を止めないこと」

そして

「自分に内在するマイノリティを否定しないこと」

 
だとグゥは思います。だからこそ、クリエイターズですね(笑) あなたの中にあるマイノリティは、もしかしたら世界に影響をもたらすようなヒントが隠れているかもしれません。
 

まとめ

ダイバーシティは、あなたの創造に大きなヒントを与えてくれることでしょう。なぜなら想像や発想の根源は、新たに何かを発掘することよりも、普段の日々の中にこそさまざまなヒントがあるからです。
 
そこに気づき、受け入れ、新たな価値創造へとつなげよう。まずは自分自身の内側から。そして周りへ、そして世界へ。
今回はそんなダイバーシティのお話でした。
 
この記事があなたの創造のきっかけになれば幸いです。
くふうぅ、結局長ったらしい記事になってしまいました…すいません涙。
以上、グゥでした。